企業インタビュー

企業インタビュー

日本でも数少ない薄膜コーティング技術を扱うモノづくり集団です。

オンワード技研株式会社

代表取締役社長 川畠 丈志 様

インタビュー

これまでのご経歴について簡単に教えてください。

・神奈川大学経済学部卒
・2001年 ㈱オンワード技研入社、製造部配属
・2008年 ㈱オンワード技研関東工場の工場立ち上げスタッフとして異動
・2012年 ㈱オンワード技研 品質管理室配属
・2015年 ㈱オンワード技研 代表取締役社長に就任 現在に至る

神奈川大学経済学部を卒業し、3年間程、現職とは全くの異業界の映像関係の仕事に東京で従事しておりました。
2000年頃、創業者の父からの説得を受け、㈱オンワード技研に入社する事になりました。
入社後1年程度、埼玉県の同業コーティングメーカーにてコーティング作業現場の下済みを経験した後、㈱オンワード技研からの出向で国の技術研究プロジェクト「科学技術振興事業団」のダイヤモンド薄膜の生成プロセスの開発に研究員として携わりました。
文系出身の私に技術研究開発職が務まるか?と戸惑いながらも、プロジェクトメンバーからの指導を受けながら、なんとか研究活動をやり遂げました。
その後、再度㈱オンワード技研の製造スタッフとして、各製造現場を経験し、2007年の関東工場建設後の立ち上げにも関わりました。
それ以降は品質管理業務や総務経理業務、5Sや安全衛生活動等の小集団活動等、最近ではデジタル化による社内改善等も携わっております。
2015年からは父から事業を継承し、代表取締役社長となりました。
その後、石川県の本社工場の新社屋建設を含め日々、大小さまざまな事業活動に関わっております。

事業を発展させるにあたっての苦労やどんな思いで仕事に向き合ってきたか教えてください。

私は創業者ではなく「後継者」として、社内外の様々な方々から能力や人柄を試される事が多かったと思います。ベンチャー企業として国内でもいち早くPVDコーティングの事業化を行い、業界のなかでも着実に経営を伸ばしてきた創業者からの後継でもあるので、当然な事かもしれませんが社長となり9年程経った現在(48歳)でもまだ周りから試されているという緊張感をもって、社内外の方々と接しております。
その様な環境の中で企業運営を行う場合、トップとしての判断が出来なかったり、経営方針を作る事ができない経営者もいると思いますが、出来るだけ現場と近い目線で日常を過ごす事で、各現場の課題や改善案を自ら立案して、従業員を巻き込み、率先垂範する「攻め」の姿勢を持ち続ける事はいつも心がけながらも仕事に向き合っております。
最近では製造業のどんな会社でも共通する「人材不足に対する人材採用並びに人事労務管理の改善」「感染症対策」「デジタル化による生産効率化」等も次世代リーダー候補者と一緒に取り組んでまいりました。
2022年の暮れには先代の時代からの大きな経営課題であった石川県の新工場の建設を終える事ができました。新工場完成によって、「働きやすさの改善」「生産力強化」「組織活性化」等を実現できたと感じております。
今後も営業活動を活発化し、高収益環境を維持する事ができれば2027年頃に栃木県の関東工場の敷地を活用した工場増設を叶えたいと考えております。
関東工場の工場増設が実現できれば、今以上に国内製造業全域を視野に入れた営業並びに製造活動が実現できると考えます。それにより「お客様にとって当社の技術やサービスが必要とされ続ける企業」として日本の技術開発を底辺で支える表面処理技術集団であり続けたいと考えます。

成功またはやりがいを感じた仕事のエピソードがあれば教えてください。

製造現場であれば、日々現場で取扱う製品は一品からの受注であるため、毎日行う作業は若干違います。それらを手作業で製品を扱い、製品検査、前処理、洗浄、組立の順番で進めます。
手作業が多い分、個々の技能やテクニック、場合によっては心の落ち着き度合や体調によって製品の出来上がり度合が違います。
製品をいざ触る前に、その製品にどれくらい時間をかけて、どの程度の精巧さで仕上げるか?想像し、作業に取り掛かります。それが実際出来上がった時に、想像していた通りの時間やクオリティで出来上がった時にはやり切った想いがこみあげて達成感が得られます。自社の製造作業を言い換えるなら、一品料理を作る料理職人の様なものなのかもしれません。
また営業職種においては、新規のお客様と何かのきっかけで接点を持ち、自社の製品や技術の魅力を伝えて、受注に繋がった、またそれによってそのお客様が喜んでくれた時は気持ちが高ぶる達成感を得る事ができます。

しかし私は経営者なので製造現場や営業現場で実務を行っていません。経営者であれば長期プランでの経営改善の取組の管理や実行が殆どなので、ものを日々作り上げて得られる様な達成感はありません。
営業としてお客様から直接、自社の技術やサービスにお褒めを頂く事もありますが、最前線で顧客と対面している営業現場が受け取った達成感に対し、私にその情報が届くまではタイムラグがあるので、もし新規のお客様の案件が取れた場合も感情的な嬉しさはそれ程、ありません。

ただ、現場で働く製造や営業、その他の部署の従業員の日々の取り組みの積み上げが売上に繋がり、それをもとに従業員への還元が行えたり、稼ぎが無いと取り組めない様な設備投資ができた時は自分自身も気合が入ります。
最近の出来事としてはやはり新社屋の完成がその「投資」としての大きな実例です。
また給与のベースアップに関しても、コロナでの売上減少があった2020年度を除けば、3,000円/月ですが5期連続で行う事ができております。
経営者にとって、着実に毎年、売上が前年度より増えて、且つ、従業員がはつらつと日々組織で生活できている環境があれば感情的に喜びを感じる事はありませんが、じわりじわりとやりがいを感じる事ができます。

今後の会社の展望(強み)や事業方針ついて教えて下さい。

【自社の強み】
①業界に対するDLC技術認知度の高さ
②コーティング装置の自社製造
③顧客ニーズに合わせた膜の提案
④他社に真似できない品質管理体制
以上4点が当社で長年培って、熟成された強みだと考えます。
一言で言うと「コーティング受託で依頼された製品に対し、自社でしかできない手法やサービスでその(一品)を(逸品)にする事」だと思います。
国内モノづくりの製造現場は人手不足から生産効率化を図る為に自動化や省力化が進められております。当社の場合はその真逆である手作業に拘り、今後も少量多品種生産を中心とした受注のスタイルは変えません。なぜならば、ロボットや機械に頼り、生産ができる製造工程はいずれ、海外企業でもできると言う事です。そうなると価格での勝負になり、安くてそこそこの質さえあれば今ある注文を簡単に切り替えられる可能性があると思います。

当社の作業現場は最先端薄膜技術の製造ではありますが、実は手作業が多く、アナログな職人現場です。その為、学歴や資格や職歴等は殆ど実務に関係がなく、手作業がそもそも好きで細かな作業を難なくこなす人の方が求められます。一人前になるにも時間や手間暇がかかる事はありますが、それが当社の製造方法であり、強みでもあります。

社員とはどのようにコミュニケーションを取っていますか?

私は約10年間製造現場で働いてきました。後継者として周りから観られておりましたが、社歴としては交替勤務も行っていましたし、関東工場の赴任も行っておりました。その様に昔から働く社員とは同じ現場で長く働いてきました。その経験もあって、ある程度昔からの従業員とはお互いの性格を知り合う仲なのではないかと想像します。今は社長と従業員という大きな立場の違いはあるので、完全に意思疎通ができるかというとそれは言いすぎですが、一般的な会社から比べれば風通しは良いと社外の関係者からお褒め頂く事は多いです。 ただし、私も現在48歳なので新卒からの入社の方や、まだ30歳前後の従業員とはやはり年齢的なギャップを感じる事もありますし、同じ現場で働いている訳ではないので共通の話題が無く、意思疎通は取りにくいと思っております。 しかし、私自身は採用の現場に出る事も多く、応募事前の工場見学や企業説明に出る様にはしております。また毎年夏から冬にかけて、100人程の全従業員と15分程度時間をとって面談を行っております。そうする事で一人一人と急な相談事があったとしてもある程度、コミュニケーションがとれる様にはしております。

担当者様から見た社内の雰囲気を教えて下さい。

営業も製造も同じ建屋の近いフロアで働いております。日常的に一つの製品の取扱を確認しあう事が営業と製造で多い為、その様にワンフロアで作業が進むようになっております。
お客様からお預かりする製品を受託加工しているので、緊迫感はある現場ではありますが、コミュニケーションが取りやすい社内の構造になっていると思います。
また5人に1人が女性で、年齢も幅広い層の方々が働いているので、職人的で背中で見て覚えろといった暗い雰囲気ではなく、仕事の取り組み方一つ一つに優しく声をかけてくれる先輩方がいます。
その為、若い新入社員の方々も少しずつ職場に馴染めると考えます。

社員への想い(どのような社員になってほしいか)を教えてください。

栃木の関東工場は25名の少人数の工場です。受注も少しずつ増え、一人当たりの業務負担度は高くなっており、なおかつ作業の連携が必要な製造現場なので、意思疎通が図らなければ指示ミス等の不具合は発生しやすい環境だと思っております。
その為、自分の仕事さえ終える事ができればよいや…と思うのではなく、他部署や次工程に対する声掛けや気配りがどうじても必要だと思います。
ここ最近はコロナ禍で職場では仕事以外のコミュニケーションが取りにくい環境になり、それによって様々な人事労務の問題を抱えている組織が多いと感じます。当社も少なからず、影響はあると感じております。
1人ずつの作業段取りは部署ミーティングで割り振られます。個々の作業が予定より早く終える事ができたり、他メンバーの進捗が遅かったりする事があれば自ら「少し手伝いましょうか?」と声を掛ける様な心がけを持てる様にそれぞれがなってほしいし、その様な風土になる様に私自身も声をかけていきたいと考えております。

中途社員への期待

中途採用で入社した人に限るものではありませんが、自社の製造は38年間手作業を中心にモノづくりを行ってきました。その都度、製品の取扱を細かく決め、若手にその工程を伝承してきました。
受託加工というお客様の製品を預かって処理しているので、不具合を起こすと取返しがつかない事もあり、勝手にやり方を変える事は容易ではありません。その為、製品の取り扱い方が「こういうものだ」と思い込みすぎると、別の方法でより良い方法があるにも関わらず、過剰品質のままで改善が進まない事もあります。個人個人で密かにちょっとした知恵や工夫により改善が進むと思っていても、中々実行にうつす事ができない雰囲気が当社の現場にはあります。
そこは是非、チャンスがあれば知恵や工夫をお蔵入りにせず、リーダーや工場長に具体的に伝えてあげると良いと思います。そのアイデアが採用されて工程削減や改善になれば個人の喜びだけではなく、会社自体への貢献になる事もあります。
中途採用者は他の会社での良い部分を知っているので、是非お蔵入りにするのではなく、自社の改善に取り入れる提案を心がけてほしいと思っております。

最後にこれだけは伝えたい!ということがあれば教えて下さい

当社はPVDコーティングという、ものづくり業界でもあまり広く知られていない製造を行っております。その為、求職者の方々からは「資格」や「学歴」がないと務まらないと思われる方が非常に多いです。その心配は全くありません。実際、自社で働く製造スタッフは半分程が他業種から転職した人が多く、技能や知識や学歴を持たずとも入社後にノウハウを身につけて一人前になっていく人が多いからです。
私自身も大学は経済学部で、3年間映像関係の仕事をした後に転職して約10年間製造現場で働いておりました。
当然、前職が製造業だったり、大学で工具の知識を身につけた方が良いに決まっておりますが、その様な経験をもって当社に入社している人はごく数名のみです。中には飲食店で接客をしていた方が今ではどの現場からも頼られる一人前の製造スタッフになっているケースもあります。
また自社ではコーティングプロセスや社会でどの様にコーティングが使われるかを学ぶベテラン社員が講師となった社内講座が月に一度あります。知識やノウハウをインプットするには個人の努力は必要ですが、その様な講座を受ける事で日々の業務の理解を深める事もできる環境が当社にはあります。
何はともあれ、一度会社を見ない事には、どんな会社かもわからないと思います。是非、応募前の工場見学にいらしてください。

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