【ハウスメーカー】働き方と転職について

職種別ノウハウ

2023年12月18日更新

住宅を建設し販売する会社、ハウスメーカーには、営業や事務の他にもさまざまな職種が存在します。

外から見えにくい部分もありますが、ハウスメーカーでの働き方や職種、そして働くメリット・デメリットについてまとめました。転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ハウスメーカーの仕事と特徴

ハウスメーカーの仕事についてみていきましょう。

規格化された住宅を大量に提供する

ハウスメーカーは、不動産業界において規格化された住宅を大量生産販売する企業です。商業施設やビルの建設は「ゼネコン」と呼ばれる企業が担当し、ハウスメーカーは一般消費者向けの住宅を提供します。

各ハウスメーカーは独自の工法を持ち、高品質な住宅を提供しています。住宅の規格化は品質の安定化とコスト削減を目的としており、以前は大工の技術によって品質が左右されていましたが、規格化により熟練した大工でなくても高品質な住宅を提供できるようになりました。

ほとんどが自社工場あり

ハウスメーカーは自社工場で住宅で使用する建材を生産しています。この規格化された生産が、高品質な住宅を提供するカギとなっています。

自社工場で建材を生産することで、品質の維持や現地での組み立て期間の短縮、そしてコスト削減を実現しています。この取り組みは、ハウスメーカーが高品質な住宅を低価格で提供するための重要な要素と言えます。

アフターサービスまで充実

ハウスメーカーの特徴の1つは、長期間にわたるアフターサービスです。例えば、60年間の保証や10年ごとの定期メンテナンスなど、様々なサービスを提供しています。

特に日本では地震や津波などの災害が定期的に発生しますが、ハウスメーカーはこうした大規模な災害に対応する体制を整えています。

これにより、迅速な対応が可能となります。一方、小規模な工務店では長期間の保証や急な要望に対応するのが難しいこともあります。その点でハウスメーカーは、安心して長期間にわたりサポートを受けられる点が魅力です。

工務店等に比べて工期が短い

一般的に、ハウスメーカーは工務店よりも工期が短縮される傾向があります。その理由は、自社工場で建材を生産し、可能な限り事前に組み立てを進めているためです。このような工程を通じて工期が短縮され、早期に住宅を引き渡すことができます。お客様にとっても、早い引き渡しは喜ばれる要素です。

一方で、工務店は自社工場を持っていないため、住宅が規格化されていない場合が多く、個々の要望に合わせた独自の住宅を建てるために工期が長引くことがあります。このカスタマイズされた住宅建築は一つだけのものを作り出す魅力がありますが、そのため工期が延びることがあります。

ハウスメーカーでの主な働き方

一般的に、ハウスメーカーに関連する職種としては、住宅展示場での営業や事務だけでなく、裏方としてもさまざまな職種が存在します。

営業

住宅展示場では、ご家族に対してヒアリングや説明を行う他、時には建築予定地まで案内することもあります。デザイン面における要望は設計やインテリアコーディネーターが担当しますが、お客様の要望を整理したり、費用面のフォローアップなどは営業の仕事です。

そして、契約が成立した後も、工事の進捗管理やアフターサービスでお客様と長期的に関わります。このように、営業担当者はお客様との信頼関係を築き、建築プロセス全体をサポートする重要な役割を果たしています。

設計

ハウスメーカーにおける仕事は、お客様の理想の住宅を図面に起こすことです。大部分の住宅が規格化されており、構造そのものは変更できません。そのため、主な業務は間取りの調整です。また、庭付きの一軒家の場合は、庭のデザインも含まれることがあります。

お客様の希望に沿った間取りや庭のデザインを図面に反映させ、理想の住宅を具体化することが重要な仕事となります。

インテリアコーディネーター

提案を行いながら設計者と協力し、内装を提案する仕事です。床材や内壁だけでなく、家具や照明、システムキッチンなど、様々な要素をコーディネートします。お客様にイメージしやすいように、写真や実物を見せながら説明し、取り入れるかどうかの決断をしていただく業務です。

内装全体のデザイン提案や各種アイテムの選定、そして実際の空間にどのように配置するかなど、お客様のニーズを反映した内装を提供することが重要です。設計者との連携を通じて、理想の空間を実現するための提案を行います。

CADオペレーター

設計やインテリアコーディネーターから指示された図面をCADソフトウェアを使って起こす仕事です。図面を作成するだけでなく、パソコン上で編集や修正も行います。

この仕事では、微細なズレも許されないため、高い集中力と忍耐力が求められます。正確性と細部への注意が重要であり、図面が建築や内装の実際の計画に正確に反映されるように努める仕事です。修正や変更がある場合も、緻密な作業が求められ、正確な図面を維持することが重要です。

積算

建材や資材の発注や見積書の作成を行う仕事です。設計図面を読み解き、必要な建材や資材の数量を計算し、工事に必要な材料から工事費の見積もりを作成します。

この仕事は、お客様からは見えない部分で行われますが、その専門性はハウスメーカーにとって不可欠な存在です。正確な材料や費用の見積もりを行うことで、建築プロジェクトの適切な進行や予算管理を支援し、プロセス全体を円滑に進める役割を果たしています。

また、材料の発注や調達など、建設プロジェクトにおける重要なサポートを提供しています。

施工管理

建築工事現場を管理する職業です。住宅建築では、自社の従業員だけでなく、外部の業者が多数出入りします。工事の進行を管理する立場であり、多くの人員を統括して工事を円滑に進めます。

工事現場の管理者は、現場を視察に来たお客様に工事の説明を行ったり、近隣住民に挨拶をしたりします。また、工事中に起こった事故や問題に対処することも任務の一部です。

そのため、業務は多岐にわたりますが、工事の進捗や安全、品質管理を確保するために必要な責任ある仕事です。

事務

事務員は営業事務や技術事務、総務事務など、幅広い業務内容で活躍しています。

営業事務は、住宅展示場で営業をサポートする仕事であり、営業が忙しい時には接客も行います。

技術事務は、設計や施工管理を事務的な側面からサポートする仕事です。指示された書類を作成することが主な仕事です。

総務事務は、有給申請の受付や電話対応、売上書類の整理などを行います。専門性は比較的低いかもしれませんが、会社の円滑な運営に欠かせない重要な職種です。

彼らの働きにより、会社全体がスムーズに運営されることが可能になります。

ハウスメーカーで働くメリット

ハウスメーカーでの勤務には、いくつかのメリットがあります。その一部を以下に挙げてみます。

形に残る

ハウスメーカーでの仕事は、販売したり建築したりしたものが実際の形として残るため、社会的な影響を持つ仕事です。特に広い家の場合は地図にも掲載され、社会に貢献する喜びを感じられるでしょう。

また、多くのお客様が自分の夢であるマイホームを求めていますので、引き渡しの際には喜んでいただけることが多く、その喜びを共有できることも魅力です。他の業界と比べても、この仕事では大きな充実感を得られるでしょう。

営業がしやすい

住宅展示場に訪れるのは、主に「住宅購入の意向を持つ人」が多いため、新規開拓にもかかわらず営業しやすい環境にあります。多くの場合、展示場を訪れるお客様は既に住宅購入を検討しており、そのため、営業の対象として接することができます。

しかし、お客様は複数のハウスメーカーを比較検討することが一般的であり、即座に契約に結び付くわけではありません。ただし、この見込み客層に対して営業することができるため、高額な商品であっても営業がしやすく、販売しやすい特徴があります。展示場では、お客様に住宅の特長や魅力を伝え、十分な情報提供を行うことが重要です。