【派遣法改正案】働き方はどう変わる?

  19日に衆院を通過した労働者派遣法改正案は派遣労働のルールを抜本的に見直す内容だ。賛否が渦巻き、現場からは不安の声もある。「ハケン」の働き方や処遇はどう変わるのか。Q&A形式でまとめた。

 Q なぜ法改正の必要があるのか

 A 安倍晋三政権が取り組む労働改革の一環で、終身雇用という日本特有の雇用形態にこだわらず、それぞれの生活スタイルに合わせた多様で柔軟な働き方を目指そうという発想が根底にある。また、秘書など26の「専門業務」は範囲が曖昧という問題を解消する狙いもある。

 Q 「曖昧」とは

 A 通訳が観光客に観光案内をしたり、秘書が来客にお茶だしをしたりするのは本来の仕事ではないが、現場では柔軟に対応しているのが現実だ。

 改正案が成立しなければ、10月以降、お茶だしなどは本来の仕事ではなく違法とみなされる規定があり、派遣先が派遣労働者を直接雇用しなければいけない可能性もある。このため専門と、事務や営業・販売といった一般の業務区分をなくし、派遣期間は一律3年というルールに統一した。

 Q これまで派遣期間が無制限だった専門業務の人は改正案で3年後に失職の可能性がある

 A 派遣労働者の希望にもよるが、失職を防ぐため、改正案は派遣会社に雇用を安定させる措置を初めて義務化した。派遣先への直接雇用を依頼したり、新たな派遣先の紹介や派遣会社で無期限に雇用したりするといった措置を取らなければならない。

 Q とはいえ、野党は実効性が乏しく「雇い止め」が増えると批判している

 A 確かに派遣先への直接雇用を依頼しても、派遣先が受け入れるかどうかは努力義務で、応じない可能性がある。ただ、改正案は「その他、安定した雇用の継続を図るために必要な措置」を派遣会社に求めている。厚生労働省としては、義務を果たさなければ、派遣業の許可取り消しも含め厳しい対応で臨む方針だ。

 Q 3年後も同じ職場で働けるのか

 A 派遣先が3年後も派遣労働者を受け入れたい場合は労働組合の意見を聞いた上で延長できるが、部署は変わらなければいけない。

 例えば東京支店の「庶務課」で3年間勤務した派遣労働者の人は「経営戦略課」に異動することで働き続けることができる。

 また、派遣会社に社員などで採用された派遣労働者は同じ職場で期間の制限なく働くことができる。

 Q 労働者派遣法改正案に続いて、今後は労働基準法改正案も審議される

 A これも労働改革の一つで、働いた時間ではなく成果で賃金が決まる「高度プロフェッショナル」制度が盛り込まれている。

 対象は為替ディーラーや研究開発者など年収が高い専門職で、年収の目安は1075万円以上を想定している。成果で賃金が決まるため、残業代は出ない。

 野党は「残業代ゼロ」法案と批判しており、国会審議はまたも荒れそうだ。      (岡田浩明)

参考:http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/sankei-ecn1506200006.html