「課長の値段」が変わる? 役割給が起こす「給料革命」〈AERA〉

年功序列的に待遇が決まった従来の日本型給料制度が一変する。仕事の重要度やインパクトがお金に換算され、ポストに値段がつく「役割給」という新しい体系が導入されつつあるのだ。

役割給の生みの親であるヘイコンサルティンググループ社長の高野研一さんは、今後「部下なし管理職」は降格され、プレーヤーと同等の処遇になる場合が多くなると予測する。ニッポンの課長に“給料革命”をもたらす役割給とは一体何なのか。

一言で言うなら、「座る椅子に値段がつくこと」(高野さん)だ。例えば「営業課長の年収は800万円」というように、「各人の仕事=ポスト=値段」と値付けされるイメージだ。人事コンサルティング会社マーサージャパンのプリンシパル、中村健一郎さんは言う。

「今までは能力や実績や年齢でお金を払っていたのに対し、役割給は、この仕事はこれだけ重要でこれだけの負荷があるから、いくら支払います、と“将来”に対して給料を払う考え方」

一つ一つの椅子(ポスト)に値がつくため、基本的には、そこに誰が座ろうが値段は一緒。そのポストにふさわしい人が社内にいなければ、外部からヘッドハントしてくることも辞さない。

個別ポストの格付けは、マーサーの場合、以下の四つの切り口をベースとする、と中村さん。

一つ目は「影響」。組織全体のビジネスの規模において、どれくらいの影響度があるのか。二つ目は「折衝」。社内でだけの折衝か、外部とヒト・モノ・カネに関するギチギチとした交渉をしなければいけないのか。三つ目は「革新」。個人としてイノベーションを起こす役割か、リソースを駆使してより大きな革新を起こすポジションか。四つ目は「知識」。経営者として必要なレベルか、現場レベルか。これらのポイントを精査して評価するという。

ヘイの場合は、マネジメントノウハウ、思考の挑戦度、行動の自由度、職務規模に対するインパクトなどのモノサシで「仕事の値段」を測る。

「行動の自由度は、単純作業か、標準化されたものか、先例があるか、経営方針に基づくものかなどがポイント。職務規模に対するインパクトは、アウトプットの定量的な大きさを問う。事業部長の場合は、ずばり売り上げで測ります」(高野さん)

両社ともに、これらの評価項目の配点は等分ではない。現場レベルにはノウハウを重視する一方で、上位ポジションには説明責任のウェートを重くする。

そのうえで、例えば、行動の自由度はDだから○点、職務規模はSだから○点などと値付けし、合計○点だから年収はいくらと決める。さらに、各職務の市場価値を加味するケースもあるという。

いま給料体系を変更している大手企業はほとんど、このような外資コンサルと組んで「新・課長の値段」を決めている。

※AERA 2015年7月13日号より抜粋

 

参考:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150708-00000000-sasahi-bus_all